世界一周ローカル旅

世界一周中に亡くなった友人の話

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ono haruka

昨晩何の気なしにFBのタイムラインを眺めていると衝撃的なニュースが飛び込んできた。

それはマレーシアの安宿で出逢った世界一周中の友人が数日前に亡くなっていたという内容の記事だった。

 

彼女をその宿のレセプションで初めて見かけた時、一目で旅慣れている人だとわかった。健康的に日焼けした肌が特に印象的で、外国人と楽しそうに話すその姿は旅をするために生まれてきたんじゃないかと思うほどだった。

 

出逢った初日に他の友人たちも交えて高級バーへ飲みにいくことになった。でも実は僕と彼女は高級バーなんて本当はどうでもよかったので、いっそのこと服装や髪型で弾かれて入店拒否されないかと心の中で願っていた。しかしその願いは通じず、幸か不幸かなんとかホテルのスカイラウンジなるプール付きの高級バーに薄汚れた旅用の服のまま入店出来てしまった。僕はその店の無駄に豪華なセットに終始落ち着かずにいたが、彼女はこれも旅のひとときと笑った。

 

それから僕たちは同じ宿に泊まっている数日間よく行動を共にした。夜になると落ち着ける共用スペースが無い宿だったので路上へ飲みに出かけたり、真夜中なのに物凄く賑わっている食堂で遅めの夕食をとったり、昼間はまた宿のレストランで何時間も話し込んだ。思えば観光意欲の無い僕達に合わせてくれていたのか無理に何処かへ出掛けようと言う様な事は一切無く、旅人の自由さや奔放さを誰よりも心得ていた。当時の僕は世界一周に出発して5ヶ月目だったので、世界二周目の彼女には本当にたくさんの事を教わった。何事にも寛大で、何をするにも楽しそうで、一緒にいると不思議な安心感を覚えた。

 

僕が世界一周の旅に出たきっかけは高校生の頃から夢見ていたからに過ぎないのだけれど、昨今の世界情勢や地殻変動の事を考えるといつどこでどうやって死ぬかなんてわからない。日本にいるから安全だという事は無い。だったら旅に出て昔からの自分の夢を叶えてやっても良いんじゃないかと思った。こんな話で意気投合したからかも知れない。彼女は世界二周目にしてまだまだ見たい景色がたくさんあるんだとキラキラしながら話した。

 

彼女と別ようという日、僕たちは彼女を送り出し空港へ向かうその小さな背中に手を振った。数時間後、宿でくつろいでいたところへFBのメッセンジャーが届いた。「しっかり乗り遅れました!笑」明日の同じ便を取ろうと既に気持ちを切り替えていた様子だったので、それならまた僕達のいる宿に帰っておいでと誘った。予定通りと言わんばかりか宿に帰ってきた彼女にビールを奢って差し上げた。数万円を無駄にしたにも関わらず彼女はイライラするでもなく笑っていた。まだバックパッカー新米だった僕にはそれが何故か異常に格好良く見えて、心の中で静かに感嘆したことをよく覚えている・・・。

 

彼女がどのようにして亡くなったか、詳しいことはよくわからない。けれど確かに彼女はそんな純粋でキラキラした夢の途中で亡くなった。最も彼女に夢に終わりは無かっただろうから、いつ死んでも夢の途中で死ぬことになったのだろうが。

 

バックパッカーをしていると「また世界のどこかで!」と言って別れることが多いのだけど、その中でも彼女とは本当にいつかどこかで再会するだろうなと思っていた人のひとりだった。そんなことを想うと色々な感情が交差して非常に悔しくなった。悔しいのは彼女が本当にカッコイイ素敵な人だったからだと思う。それは彼女が死んだからという人生最大の同情では無く、本当に素晴らしい人だったから。また会いたかったな。それでも人はやっぱりいつか絶対死ぬし、いつしか忘れられる。そんな当たり前のことの繰り返しなんだけど、改めて死への恐怖感が現実味を帯びて僕に届いたこのニュースは、また春から始まる僕の旅のエンジンとなった。死からは絶対に逃げられない。だからこそ満足のいく人生にしたい。

 

世界中どこにいたって、いつ死ぬかなんてわからないのだから・・・。

 

 

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One thought on “世界一周中に亡くなった友人の話

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